怪我の巧妙

そんな時、渚は我慢していたバレーのしたさに負け、心電計を外し、点滴の針も外し、こっそり病室を抜けて、持ってきてもらっていたボールを手に、屋上でプレイをしてしまった。

隼人の血圧測定までにはまだ1時間ぐらいあったので渚は思いきり羽をのばした。

しかしブランクが少しでもあると勘が鈍り、動けなくなるのを渚は忘れていた。

しかも渚はまだ食事を口にすることは出来ていなくて、エネルギーがあるはずもなかった。

10分もしないうちに渚は倒れ、意識を失った。

偶然にも屋上にやってきた1人の看護婦が渚を見つけ、病室に連れ戻した。

しかし、渚のエネルギー値は低く、その日は1日目覚めなかった。

不安定な心電計の音だけが病室に響いていた。