怪我の巧妙

「生理はちゃんと来てるのか?」  

「やだな、先生。そんな言葉を女の子の前で…。…ありません、この4ヶ月間。そりゃそうですよね、その間だけで10キロも減ったんだもん。…あ、もう行かなきゃ。先生、ご迷惑をおかけしました」

そう言って渚は隼人に背を向けて、体育館に戻って行った。

隼人は考えていた。

生理は女性の健康のバロメーターである。

ちゃんと生理の来てる健康な若者なら多少の疲れや怪我はすぐに治るだろう。

しかし生理の来てない女性にそれは期待できない。また食事も取らなければますます悪循環で、代謝機能は落ち、心臓、そしてその他の内臓の活動も鈍くなって当然である。

隼人は急に思い立ったように電話まで歩いていった。

そして受話器を取るとダイヤルをまわした。

「すみません。院長はおられますか?…あ、親父?俺だよ。…うん、元気だよ。親父は?…うん、あのさ、ちょっと相談があるんだけど、…」