怪我の巧妙

隼人は苦笑しながらも渚に椅子をすすめ、優しく接してくれた。

その優しさをうれしく思い、渚は話す前に深呼吸をした。

…が、またそれが胸痛を引き起こした。  

「ぐっ!あ、またやっちゃった。あのですね、2日前にバレーの試合ありましたよね。実はあの時にメンバーの1人のひざが私の胸にぶつかったんです。そのあとからずっときつく笑ったり、せきしたり、深呼吸したり、あ、あと両手で何かを押したりすると打った場所がめちゃくちゃ痛くなるんです」  

「さっきのもそれか。ったく、痛いならしなきゃいいのに。…っと笑うなよ。じゃあちょっと診てみるな。声は出さずにうなずいたりだけでいいからな。よし、じゃあシャツを脱いでくれるか?」

渚は言われるままに動いた。

先生の問いかけに対して痛い時は首を立てにふり、大丈夫な時は首を横にふった。

2、3分経って、先生が何かを書き出した時、渚は口を開いた。