「…そうだよね。ずっとこのままだと藍にも蓮にも心配かけちゃうもんね。」
咲はいない。
それは変わらないけど、後ろばっかり見るのはもうやめる。
忘れるわけじゃないし、今も私の中の一番は咲ってことに変わりない。
今までのちっぽけな決意じゃない、大きな決意をするきっかけを凛くんの言葉にもらった。
凛くん…。
「ありがと!凛くん!」
「っ!…おう。」
「あれ?凛くんなんか顔赤いけどもしかして結構雨にぬれたんじゃ…」
ガチャ
「杏寿!」
「あ、藍!」
夕食を持った藍が部屋に帰ってきた。
私のために早めに夕食を切り上げて帰ってきてくれたみたい。
「あれ、凛くんもいる。なにしてんの?」
「…いや、別に。ちょっと杏に用があっただけ。」
「そう?蓮と西城が凛くんのこと探してたよ。」
「そうか。じゃあ俺はこのへんで。杏、ちゃんとメシ食って休んでろよ。」
「うん、ありがとうね。」
それだけ言い残して凛くんは部屋から出て行った。

