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その後意識を失ったままの杏を背負い、俺は宿舎に戻った。
戻る途中に合流したあいつらも一緒に。
藍と蓮は杏を見るなり心底安心したように泣きだしてしまった。
「ん…。」
ベッドに寝ている杏を見ていると安心する。
本当に無事でよかった。
杏は足をねんざしていて、歩けそうにはないものの、熱はそれほど高くなかった。
「ふっ…。呑気に眠りやがって。」
寝顔を見ていると思わず笑みがこぼれた。
頭を撫でてやると杏の目から涙が一筋こぼれた。
「杏?」
「咲…。」
「っ!」
また“咲”だ。
おい、咲って一体誰なんだよ。
なんでお前泣くんだよ。
なんでお前そんな苦しそうな顔すんだよ。

