愛する人へ今





「さ…き……っ。」


そう言って杏は俺に抱きついてきた。

弱ってるのはずなのに力強く。



「あ、杏!?」


いきなりのことで俺は混乱してしまった。


それに“さき”って…。



「咲、会いたかった…。やっと会えた…!もっと“杏”って呼んで?いつもみたいに。」



どきっ



俺の名前じゃないのにどきっとする。

“咲”って誰だよ。




「お願い、私を離さないで。もうどこにも行かないで…!」





杏は泣きながら俺に訴え、意識を失ってしまった。