「俺、山根凜。名字で呼ばれるの嫌いだから名前で呼べよ。」
名字で呼ばれるのが嫌いだなんて嘘。
ただアイツにはちゃんと名前で呼んでほしかった。
もっと近づきたい。
そう思っていたのに、俺がアイツの名前を呼んだ途端。
アイツの顔はどんどん青くなっていった。
え?
俺なんか悪いこと言ったか?
なにがなんだかさっぱり分からないままアイツは藍に連れて行かれた。
「…悪い、凜。」
気まずい空気の中、蓮が口を開く。
「いや、大丈夫。俺、アイツになんか悪いこと言ったか?」
「そんなことはない!そんなことはないんだけど…さ。」
「ん?」
キーンコーンカーンコーン
タイミングよくチャイムがなる。
「あ、授業始まるな。教室戻るか。」
俺は続きが気になったが教室に帰ることにした。