そう思っていたらぽつぽつ…と急に雨が降って来た。
そういえば天気予報で雨っていってたかも。
「ちょ、雨?傘もってないわよ。」
「とりあえず雨をよけれるところを探そう。」
喜多くんの提案で私たちは走りだした。
…が、運動神経が皆無に近い私は山道を走るなんて出来ず途中で転んでしまった。
「きゃあ!…いたっ。」
そして運悪く転んだ拍子に足をひねり、立てなくなってしまった。
どうしよう。
「ま、待って、みんな!」
雨の音にかき消されて声が聞こえてない。
このままじゃ皆に置いていかれちゃう。
皆より後ろを走っていた私は、皆に気付かれるはずもなくその場に取り残されてしまった。
「とりあえず追いかけなきゃ…。」
そうは思うものの足が言うことを聞かず、一向に進まない。
ただただ雨にうたれ、私の体温は奪われた。
寒い…。
とにかくどこか木の陰にいよう。

