「おっ、やっと来たな。」
「ごめん、遅くなっちゃって…。」
「大丈夫だよ、秋田。俺ら以外はまだそんなに集まってないから。」
喜多くんに言われて周りを見ると、他の生徒はまだ来ていなかった。
「良かった。ところで、オリエンテーションってなにするの?」
「山登るらしいぞ。それから宝探し。」
凜くんが予定表を見てそう答えた。
「山ぁ?疲れるから俺行きたくねーなぁー。」
蓮は早くもお疲れのご様子。
まだ到着したばかりなのに。
「えーこれからお前らには山に入ってもらう。各ポイントにカードがあるから、それを全部集めて帰ってこい。ポイントは全部で5つだぞ。」
先生の説明にこれまた生徒たちから大きなブーイングが上がる。
いくら5月っていってもそろそろ気温も高くなってきているし、山の登るなんて結構重労働だ。
「静かにしろ!…このオリエンテーションで最も早くカードを集めて帰って来たチームには、豪華な景品が待ってるからな。」
先生のその言葉に生徒たちは一気にやる気になる。
豪華景品か…。
なんだろう。

