小鳥遊咲斗(たかなしさきと)
私と咲は恋人同士だった。
中学の時に藍の彼氏、仲西蓮(なかにしれん)の友達として咲を紹介された。
私達は出会ったときから惹かれあい、1か月もしないうちに付き合い始めた。
咲は背が高くて私は低かったから、よく兄妹なんかに間違えられた。
『背…大きくなりたいな。藍みたいにモデル体型だったら咲と釣り合う彼女になれたのに。』
そう言った私に咲は、
『別にいいんじゃねーの、そんなこと気にしなくても。杏は杏のままでいて。』
優しくそう言ってくれた。
咲はかっこよくってモテたから別に私じゃなくてもいいのかなって思った時もあったけど、そうじゃなかった。
咲は『杏がいい。』って言ってくれた。
ちゃんと言葉にしてくれるから、咲がどうおもってるのか伝わってきて嬉しかった。
だから私もちゃんと言葉にして返すことができた。

