「えー、静かにしなさい!」
先生が前に立ち、皆はたちまち静かになる。
「今回の学年交流研修ではより多くの仲間と、そして自然と触れ合ってもらおうと思い、山にしました。存分に楽しむように!」
生徒たちからのブーイングはそれなりにあるものの、やっぱりこの3泊4日の研修の楽しみに比べればこれくらい我慢できそう…という心があってか皆納得した表情だった。
「杏寿、部屋に荷物運ぼう。」
「うん!」
――――
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指定された部屋にはいると、そこには大きなベッドが2つ並んでいた。
「うわぁ…。結構広いね…。」
藍は驚きのあまり声が出ないという様子で部屋の中をうろうろとしていた。
他の班は女子が3名のため3人部屋なのだが、私たちは2人なので2人部屋を使うことになった。

