愛する人へ今



…こうやってみると凜くんって本当にかっこいいんだな。

すごく整った顔立ちしてる。




鼻はすっと通ってるし、唇は薄くてとてもいい色をしている。
まつげなんてふさふさ。



羨ましいな。





「なに凜くんの顔じっと見てんの?」


「へっ?」



わたしそんな見てた?


「そ、そんな見てないよ!」


「そう?…まぁー、これだけ整った顔立ちしてれば女子も寄ってくるわよね。」


藍は苦笑いしながらカバンから携帯を取り出し、凜くんの寝顔をおさめていた。



そんなことしてあとで凜くんにも蓮にも怒られてもしらないよ、私!



「…売ったら高くつきそうね。」


「あ、藍!」


「冗談よ、冗談。」



藍は冗談が冗談に聞こえない。
本当に売っちゃいそう。





「あ、ほら。見て、海!」


トンネルを抜けると窓から海が見えた。



綺麗…。



まだ季節は春の終わり。
泳ぐには早すぎるけど、これだけ綺麗な海なら見ているだけでも十分だ。