「これで残りは3人だね。どうする?」


いまだに藍に抱きついている蓮を無視して藍に問いかける。

の、はずなのに答えは意外なところからかえってきた。




「俺が一緒の班になってやる。」





え…?
どこから…。



「よお、杏。」



どきっ



「り、凜くん!」

「研修旅行の話だろ?俺も班どうしよーか迷ってたからな。丁度いい。」



そんな事言われても…

どうしよう。


凜くんが嫌いなわけじゃないけど、「杏」って呼ばれるたびに苦しくなる。



咲を思い出して切なくなる。

そんな状況で3泊4日の旅行を同じ班で過ごせれるのかな。



「杏寿…。」



藍に声をかけられて我に返る。



そうだ。



私は前に進むって決めたんだ。

いつまでも殻に閉じこもってちゃ駄目なんだ。


「い、いいよ…。一緒の班…。」


「ん、じゃー4人は決定だな。」

なにも事情を知らない凜くんはスラスラと事を進めていく。