喜多くんは照れたようにそっぽ向いて笑っていた。
きっとこういう気遣いが出来るとこが女の子にモテるところなんだろうな。
「ありがと、元気出た!」
「いいえ、どういたしまして。」
席につくとすぐに藍がきた。
「喜多と仲良さそうだねー。」
「そうかな?まぁ…私そんなに男の子と喋らないからそう見えるだけかも。」
「ふーん…。」
あれ?
なんか拗ねてる?
「藍?どうかした?」
「藍のやつジュジュが清志郎と仲良いから妬いてんだよ。藍、ほらこれ。」
後ろから声がし、振り向くと辞書を持った蓮がいた。
え、妬いてるって…。
ヤキモチ?
「なっ、蓮、いつ来たのよ!しかもデタラメ言わないで!そんなことない!」
…と言われても藍の真っ赤な顔を見れば一目瞭然。
説得力がないよ、その顔じゃ…。
「まー、ジュジュと咲斗が付き合い始めた頃も大変だったしな。」
「ちょっと、蓮!」
「あ、わり…。」
「ううん、大丈夫。」
咲の話題になったことで少しだけ空気が重くなる。

