「あ、おかえりー。遅かったね。」

「ただいま。ちょっとね…。あ、蓮来てたんだ。」

近くの机をくっつけて藍と一緒に弁当を食べていたのは蓮だった。


「おー、ジュジュが遅いから先に弁当食べてたぞー。」

「ごめんごめん。それよりジュジュって呼ばないでって言ったじゃん。」


自分の椅子を持ってきて藍の隣に座る。

蓮の弁当箱は既に空っぽだった。



“ジュジュ”とは私のこと。
蓮しか呼ばない私のあだ名。
中学の時、勝手にそう呼ぶようになった。



「いーじゃんかよ。ジュジュはジュジュなんだし。」

「蓮もいい加減杏寿のこと名前で呼んであげなよ。」

「えー。ジュジュってあだ名結構センスあると思うんだけどなあー。」

「クラスの子たちは皆“杏寿”って呼ぶから。蓮だけだよ、ジュジュなんて呼ぶの。」



私は藍と蓮のこういうやりとりが好きだ。


藍は姐御肌って感じだから、子供っぽい蓮とはいいコンビなんだよね。