知恵とその数人はインフルエンザで休んでいた。
だから知らなくて当然だ。

でも千尋は浩之がアメリカへ行くのを忘れていた。
さすが天然。いやここまでなると天然も度を超しているかもしれない。



知恵たちが空港に着く頃にはもうアメリカへ飛び立っていてもおかしくない時間だったが、浩之はそこに居た。

空港内の一面ガラス張りのフロア。


送りに来た先生や生徒の姿はなかった。