お母さん、気づくかな。
あたしがいなくなったことに。
妹がいるあたしのことは、
高校生なんだから平気でしょう?
っていう考えで後回し。
妹大切家庭…なんだ。
だから学校で、何があるのかとか
お母さんはしらない。
…お父さんは…死んじゃったから。

こんなこと思っちゃ
ダメなんだろうけど。
正直、もっとちゃんとした
普通の家庭に生まれたかった。


ボーッと歩くこと一時間。
もう自分がどこにいるのかすら
わからない。
ずーっと通りを歩くと
交差点が見えた。
その交差点を右に曲がると、
中々の大きめの公園があった。
公園にあるベンチに腰を掛ける。
…これから、どうしよ。
でも、そんなに不安じゃなかった。
もう全部、どうでもよかったから…。

「だれかいるの」

後ろから聞こえる低い男の人の声。
聞き取れなかったとか
怖かったとかそういう訳じゃなく、
なんとなく無視した。