生意気な奴?
無責任な奴?
それでも、私は、
彼の支えに少しでもなってみたかった。
「 ご、ごめん。無責任、だよね...。 」
なぜだか思ったことをすぐ口に出してしまう癖があるみたいで
そんな私が情けなくなってしまった。
浮気なんて経験したことない私が言ったって
なんの説得力もないのに。
それでも廉くんは
やっぱり優しい太陽らしく、
大きく首を横にぶんぶんと振った。
「 そんなことないっ、助かったよ 」
必死になってそう言う彼が
一瞬だけ可愛く見えてしまったの。
一瞬だけ、キュンってしちゃったの。
なんて、口が裂けても言えないんだけど。
「 ほんと俺こそごめんな。 」
彼はそういうと
ポケットに手を入れて
何かを探しているようにごそごそと手を動かした。
そして私の手のひらに
ピンクの包み紙を置いた。
「 なにこれ? 」
その包み紙は丸くて、小さくて
可愛らしいもので
廉くんでもこんなの持ってるんだと驚いた。
「 お礼。やるよ。 」
ピンクの紙に包まれていたのは
ストロベリー味のアメ。
甘ったるいにおいが私たちをほんのりと包み始めた時だった。

