孤独と嘘と愛に騙されて。


「 春先輩の相手って、愛斗先輩、とか? 」


ただの勘。
なんとなくそう感じたから。
廊下ですれ違う時とか、
春先輩、いつも愛斗先輩と一緒だったから。


愛斗先輩は春先輩の同級生。
廉くんとは正反対で
ふわふわしたオーラに包まれた愛されキャラ。
まるでキラキラ輝く一番星と
ゆったり浮いてる白い雲みたい。


私が勘で言ったその名前は
どうも当たりだったみたいで。



「 そうなんだよねー。 」


廉くんはそうぽつりと呟いた。
やっぱりその表情は寂しそう。


「 春と俺ってやっぱりつり合わないのかな 」

とか

「 愛斗先輩の方が春にはお似合いなのかな 」

とか
彼には不似合いな
マイナスな言葉を並べてばかり。


好きなら
想っていればいい。
好きなら
素直でいればいい。



「 わ、私は!お似合いだと思うよ! 」


無責任なセリフを口にする私は
彼の瞳に
どう映っているのだろう?