また数分、
ぼーっと立っていたものの
完全下校のチャイムが聞こえて我に返った。
いつも通ってるはずの家路。
なのになぜだか
別の風景に見えてしまうの。
オレンジ色に染まっていた空は
完全に太陽が隠れてしまいそうで
辺りは少しずつ暗くなっていった。
住宅街を歩くのは
この時間、私だけで
真っ暗な道を照らしてくれるのは
ぽつり、ぽつり、と一定の距離間で置かれている街灯だけ。
私の家ってこんな遠かったっけ?
そう勘違いしてしまうほど寂しいと感じた。
もし一つだけ願い事がかなうのならば
普通の生活に戻りたい。
普通の恋愛がしてみたい。
間違ってる。
あんなキス、事故だよ。
そう事故だよ。
自分をだましてる、そんな気もしなくはないけど
否定していないのと
なぜだか涙がこぼれてきそうだったから。

