まるで 時間が止まったみたい。 あれからどのくら突っ立ってるんだろう。 記憶だって曖昧。 まだほんのり残る甘い香り。 優しく触れた彼の唇。 思い出しただけで顔が熱くなっていく。 周りから見たら林檎に見えそう。 あのあと廉くんは " 明日からよろしくね? " なんてセリフを吐き捨てて私に背を向けた。 大きな手をひらひらと振りながら 屋上を出て行っちゃったんだっけ。 こんなの 絶対おかしいよ。 こんなの 春先輩がやってることと同じじゃん...。