「ごめん、無理だよ.....」 バッグの中に、携帯と財布と鍵を入れて 家を出る。 もう、本当に駄目.....っ 《お兄ちゃん》 という着信を思い出す。 かけよう.... 『もしもーし?』 「もしもしお兄ちゃん?どうしたの?」 ちょっと懐かしいお兄ちゃんの声。 今は結婚して、働いている。 『何してるかなーって思って』 「ねぇ、今から泊まりに行ってもいい?」 23歳のお兄ちゃん。 歳は5歳差でも、あたしの理解者。