「いや、説得しろと言われても……なぁ。
それに!
みぃが俺の言うこと聞いたことが一回でもあるか?」

即答で否定され、少し眉間に皺を寄せる。

「んなさぁ、本気で断らなくてもいいだろぉ。
っていうかさ、いい加減にその呼び方やめろよ。
未来はもうそんなにちっちゃくないし、俺がヤダ」

「はぁ……。
恭夜もさぁ、そろそろシスコンやめねぇと、未来に嫌われるぞ」

恭夜と秀麗がそんなことを言っているとき、未来が何か思いついたように目を輝かせた。

「ねぇ!
じゃぁ秀ちゃん今日泊まってよ!
恭にぃの友達って言えばたぶん泊まらせてくれると思うから、来くんも那柚くんも泊まって!
お願い(>人<)」

来と那柚はどうしたらいいか分からず、二人して恭夜を見つめる。
恭夜は二人の視線に気付いて軽くため息をつくと、

「数少ない未来の我が儘だもんな。
こんぐらい聞いてやらなきゃ、上にいる母さんに怒られる」

と言った。

帰りにお前ら二人の荷物取りに行くから校門で待っとけよ、と恭夜は来と那柚に言うと、急に未来の方を向いて言った。