ポジションが同じということもありよく一緒にいるようになった私達は驚くべきことに趣味も似ていた
そのうち一緒に出掛けることも増えた今日この頃…
私と真琴の会話にはよく方言の話が上がった
三重県出身の私は訛りがひどく、よく言葉が汚いと言われることが多かった
「私そんなに鈍ってる?」
必死に方言をとってもすぐボロがでるのはわかりきっているがどうしても訛っていると認めたくなかった
「訛ってるよ」
「なんで?普通やん」
「【どうして?普通でしょ】が訛ってない言い方」
澄ました顔で3Pを決めてしまう真琴に対抗して私も3Pを打ってみる
もちろん外れた
だってPGだもん
「逆にどうして方言直したいの?」
また3Pを打ちながら真琴は不思議そうに私に訪ねた
「口悪いって思われたくないんやもん」
「誰に?」
「友達…」
しゅっともう一回3Pに挑戦
リングに当たって跳ね返ってきた
才能ない
「俺は気にしないのに」
「別に真琴に気にされてもされなくても関係ない」
そう、ただ女友達に『口が悪い』と言われたくないだけ…
男友達は気なんて使わないから楽でいい
「可愛い子と喋ってる時に男みたいな話し方で方言って嫌じゃん?」
「そう思うのならもう少し頑張れば?
『じゃん』出てるよ?」
「うっるさい」
きゅっとバッシュが音を立てて3Pを放つ
「ナイッシュ」
まだゴールにも当たってないにも関わらず真琴は言う
放物線だけで入るかわかる選手はとてもいい選手だと聞いたことがある
しゅっといい音が聞こえ次にボールが床に落ちる音が響く
悔しいが私はきっと一生かかっても真琴に勝てる気がしない

