「そうだよ!相変わらず夏木って流行に遅れてるよねー」



「いいの!そんなのいちいち乗ってたらキリがないし」



流行とかそういうのあたし興味ないタイプだからなぁ…



でもあたしはそれでいいと思ってる。



だってあたしはあたりなりにって小さい時から決めてるんだもん。



正直言うとあたしは小さい時の出来事はあまり覚えていない。



まあ当たり前だよね。



誰でも覚えてないときはあるよ。



でもうっすら覚えていることがある。



お母さんに聞いた話なのだが、



幼稚園の頃親しかった男の子がいたらしい。



覚えているのはそれだけだ。



もちろん名前はおろか、顔すら覚えていない。



あー何で忘れちゃうかなあたし…



「ねぇ夏木、今まで恋愛とかしたことあるの?



ファーストキスとかした?」



沙祐里は興味ありげにあたしに尋ねた。