お母さんたちの反対のこと。

私といると空斗の将来に影響するかもしれない。

私が話し終わるまで、空斗はただ黙って聞いていてくれた。

もしかしたら、“姉”“弟”にならなきゃよかったんじゃないかって。

思ったときもあった。

「それは違うよ」

えー…?

「姉弟にならなきゃよかったなんて、違う。姉弟にならなかったら、出会ってなかったのかもしれない」

だろ?って笑った空斗はすごいと思う。

そんな考え方、したことないよ…。

「母さんたちのことは気にすんな。俺も勉強もっと頑張るし…だから、一人で抱え込むな。俺から、離れんな…約束」

んっと空斗は小指を私の前につき出した。

そして、私もそっと小指を差し出してきゅっと絡めた。

屋上にふく冷たい風が、不思議と温かく感じる。

ねぇ、空斗。

私、不安だけど頑張るよ。
お母さんたちに認めてもらえるように。

だから…もう、離れないよー…