~空斗~                    (あれ…コンドームだよな)

未来の部屋から出た俺は一人さっきの出来事をふりかえる。

(使用済みになってたし…)

驚きより、いや…十分驚いたけど…

ショックだった。

彼氏…いたんだ…。

やっぱり未来にとって俺は“弟”でー…。

“男”てしてなんか見られてなかった…。

その事実がくやしくて…

涙目になる。

だめだ。

泣いたら…

子供の頃…
未来が聞いてきた。

『神様って信じる』

『信じない』

ぶっきらぼうに俺はそうこたえる。

『神様は信じる人のお願いだけかなえてくれるんだよ』

じゃあ信じるから…

ちゃんと信じる。

だから…たった一つのわがままをかなえてよ。

「神様はっ…いじわるだっ…」

途切れた低い声が部屋中に響き渡った。