そしてそのまま、入り口から出ていき、扉を閉めた。
ガチャリッ

ガチャリ?…まあ、今の音は聞かなかったことにしておこう。

「空…斗?」

沈黙を破るように私は空斗の名前を呼ぶ。

顔を合わせたのは何日ぶりだろう?

「あ…のさ」

先に口を開いたのは…

空斗じゃなくて、私。

「これ…」

「え?」と少し顔をあげ、目を丸くする空斗。

そうだよね。

だって今、私は空斗にチョコを渡してるんだもん。