~空斗~                    「優帰ろーぜ」

長かった1日もやっと終わった。

教科書をかばんにつめて優に声をかける。

「あー…紀伊たちもいるけど…」

はぁ

なんで佐藤たち

なんて俺の疑問を察したのか優は「俺たち…付き合ってるから」といった。

『はあっ』

となにも知らない俺と未来は当然驚いて…。

…じゃなくてっ… 

「つ…付き合ってるって?」

ひきつっているであろう自分の顔を精一杯笑わせる。

「つまり…」

と優はいい佐藤に近づくと軽く口にキスをする。

「んなっ」真っ赤になる俺たち二人をおいて二人は、「そういうことだから」といって手を繋いで仲良く帰宅。

おいおい…

お前朝未来のこといいよなぁ…とかいってたじゃねぇか。

残された俺たちのまわりにはもう誰もいなくて…

「帰…ろうか…」

「うん…」

まだいまいち状況をつかめない俺はとりあえず未来に声をかける。

…と未来もしぶしぶといった様子でうなずいた。


その頃ろうかでは…

「あの二人素直じゃないんだから」

「だな。まぁ面白いからいいけど」

と黒~い会話が流れていたことを俺と未来はしるはずもなかったー…


「…」
「…」

いつもの帰り道。

いつもと同じ信号を待っていつもと同じ通路を歩く。

…と今まで黙ってうつむいていた未来が顔をあげる。 内心ビクッとした俺は少し戸惑いながら声をかける。

「ど…どした…」

「そうか…だから紀伊は昼休みあんなに私と空斗を一緒にさせたがってたんだ…だから“今日を強調させてたのね…」

ぶつぶつ隣でいう未来は俺が「?」を頭に乗っけてんのに俺を無視して「納得」とうんうんうなずいている。

…大丈夫か?こいつ…親友に彼氏ができておかしくなったんじゃぁ…

と。

そんなことを考えてる間に家到着。

俺は「ただいまー」といって自分の部屋へ。

母さんと父さんはかえり遅いし課題でもしようか…と考えているとふと鳴るケータイ。

どうしよう…すっげぇいやな予感しかしねぇ…

ディスプレイにはやっぱり“優”とでていた。

“今日手取り足取り勉強体にみっちり教え込めよ”

…なんだろう。優がいうととてつもなくいやらしく感じる。

てか誤解をまねく言い方やめて欲しい。

でも未来もほっといたら本気でヤバそうだしなぁ…。

でも未来の部屋にいくと…いろいろヤバい。

…よしっ平常心だ俺っ!!

俺は一つ深呼吸をして未来の部屋へ向かった。