買い物を済ませた私と紀伊は(私はなにもしてないないけど)

店を出た。

その日、私は明日なにが起こるかなんて考えもしなかったバカな私は。

家に帰って、お母さんもお父さんもいないリビングでお茶を飲み、部屋に行こうとした。

途中、空斗の部屋の前でふと立ち止まる。

(ちょっとだけ…)

そう思ってドアノブに手をかける。

部屋に入って目についたのは、ベッドに寝転んでいる空斗。

「空斗…寝てる?」

「…」

寝てるのか…。

私は壁の方を向いて寝転んでいる空斗の後ろ姿に、小さく呟く。

「好きっ…空斗」

好きだよ。空斗ー…



このとき、空斗が起きていたことを、私はあとから知ることになるー…