~空斗~ ピピピピピッ。
部屋に鳴り響く目覚ましが、妙にうざく感じる。
ついこの間まで「空斗ー!」って呼ぶ未来の声に起こされてたからな…。
時間になってもなかなか起きない俺に、未来は俺が起きるまで怒りながらもそばにいてくれる。
俺はそれが嬉しくて、起きてもしばらく寝たふりしてたっけ(笑)。
俺ははぁーとため息をつき重いからだをゆっくり起こす。
そしてリビングへと向かった。
父さんたちは仕事でいないし、未来も先に行ったみたいでいなかった。
俺は手早く部屋に戻り制服に着替えると学校へ向かった。
「おっそいよ~空斗」
教室につくと口をとがらせる優と紀伊が待っていた。
…とその横には
「あっ…空斗。今日起こせなくてごめんね?」
笑っている未来がいた。
でも、その笑顔は無理やり作られたものだった。
「ちょっと来て」俺はかばんを机の上におき、未来の腕を強引に引っ張る。
キョトンとしている優と紀伊。
…そりゃ、来てそうそうこんなことしてたら驚くよな…。
でも今はそれどころじゃない。
そんな二人をおいて俺たちは学校の裏庭に行った。
「ちょっ…いたいっ」
裏庭についた俺は、未来の腕を放す。
強く握りすぎたせいか、少し赤くなっている未来の腕。
「急に…何で別れんの?」
「だって…」
言葉につまる未来。
「…だって、めんどくさくなったのっ!」
「はっ?」
「血は繋がってないのにお母さんたちはうるさく言うしっ」
「それは俺がっ…」
『何とかする』
そう言いたかった。
でも言えない。
…そんな保証…ないから。
「空斗は優しいね」
「俺はっ…」
「優しいよ。十分ね」
ニコッといたずらっぽく笑う未来。
あのころのようにー…
そんな顔しないで。
期待してしまう。
未来の心の中にはまだ俺がいるって…。
ふられてんのにだっせ、俺。
「空斗」
まっすぐ…でも優しく未来は俺の名前を呼ぶ。
「ん…?」
涙目になってるのを見られたくなくて、うつむいたまま返事をする。
「ありがとう」
「…っ」
必死に涙を止めようとすればするほど鼻の奥がじーんて熱くなった。
俺はただ、去っていく未来の後ろ姿を見つめるだけ。
触れたくても…
触れない。
俺はこんな別れかたするために未来を好きになったんじゃないよ?
俺はお前を泣かせるために付き合ってたんじゃないよ?
…ただ好きなんだ。
部屋に鳴り響く目覚ましが、妙にうざく感じる。
ついこの間まで「空斗ー!」って呼ぶ未来の声に起こされてたからな…。
時間になってもなかなか起きない俺に、未来は俺が起きるまで怒りながらもそばにいてくれる。
俺はそれが嬉しくて、起きてもしばらく寝たふりしてたっけ(笑)。
俺ははぁーとため息をつき重いからだをゆっくり起こす。
そしてリビングへと向かった。
父さんたちは仕事でいないし、未来も先に行ったみたいでいなかった。
俺は手早く部屋に戻り制服に着替えると学校へ向かった。
「おっそいよ~空斗」
教室につくと口をとがらせる優と紀伊が待っていた。
…とその横には
「あっ…空斗。今日起こせなくてごめんね?」
笑っている未来がいた。
でも、その笑顔は無理やり作られたものだった。
「ちょっと来て」俺はかばんを机の上におき、未来の腕を強引に引っ張る。
キョトンとしている優と紀伊。
…そりゃ、来てそうそうこんなことしてたら驚くよな…。
でも今はそれどころじゃない。
そんな二人をおいて俺たちは学校の裏庭に行った。
「ちょっ…いたいっ」
裏庭についた俺は、未来の腕を放す。
強く握りすぎたせいか、少し赤くなっている未来の腕。
「急に…何で別れんの?」
「だって…」
言葉につまる未来。
「…だって、めんどくさくなったのっ!」
「はっ?」
「血は繋がってないのにお母さんたちはうるさく言うしっ」
「それは俺がっ…」
『何とかする』
そう言いたかった。
でも言えない。
…そんな保証…ないから。
「空斗は優しいね」
「俺はっ…」
「優しいよ。十分ね」
ニコッといたずらっぽく笑う未来。
あのころのようにー…
そんな顔しないで。
期待してしまう。
未来の心の中にはまだ俺がいるって…。
ふられてんのにだっせ、俺。
「空斗」
まっすぐ…でも優しく未来は俺の名前を呼ぶ。
「ん…?」
涙目になってるのを見られたくなくて、うつむいたまま返事をする。
「ありがとう」
「…っ」
必死に涙を止めようとすればするほど鼻の奥がじーんて熱くなった。
俺はただ、去っていく未来の後ろ姿を見つめるだけ。
触れたくても…
触れない。
俺はこんな別れかたするために未来を好きになったんじゃないよ?
俺はお前を泣かせるために付き合ってたんじゃないよ?
…ただ好きなんだ。

