~空斗~ 懐かしい夢を見たー…
8年前…
「うっ…ひっくっうぇ…」
木から落ちた未来が泣いてる。
俺は走って未来のそばへ駆け寄った。
「大丈夫?」
って。
未来はどじだからな。
膝からでた血はだんだん溢れて足のふくらはぎをつたう。
なんとかしてあげたいんだけど…
あっ…
「未来っ俺医者になるっ!そしたら未来が転んでも治せるよっ」
子供ながらに単純な理由ー…。
でも、そう言うと笑ってくれる未来の笑顔が嬉しくて俺は医者になろうって決めたんだ…。
「ん…」
コンコンと扉をノックする音で目が覚める。
ケータイの時計は8時30分。
俺は起きたばかりで重い体をおこし扉を開けた。
「未来っ!」
扉の前には、未来の姿。
「ねっ!今から遊びに行こう!」
え…?
「でも母さんは…」
母さんがそんなこと許すはずがない。
「いいって♪」
ふふっと笑って未来は嬉しそうにする。
「まじでっ!?」
「うん…♪だから早く着替えてきてね」
そう言い残し未来は俺の部屋から出ていった。
ふいに未来の横顔に目が止まった。
「えっ…ちょっおいっ…」
だけどもう未来はいなかった。
未来の目に涙が浮かんでいた気がする。
…気のせいか?今思えばこの時気づくべきだったんだよな…
ごめんな。
未来ー…
「うわぁー」
ととはしゃぐ未来。
今は電車で二駅のショッピングセンターに来ている。
なぜか突然、
「お互いに何かプレゼントしあおうよ♪」
と言い出したんだ。
「ねっ!」
ずいっと身を乗り出した未来の顔と俺の顔が近くなる。
ぼぼっと赤くなる未来の頬。
ー…よかった…
いつもの未来だー…
「ねぇ、キスしてくれたらプレゼント交換してもいいよ♪」
わざといたずらっぽくいう俺は、別に未来からのキスがなくなって、プレゼントは交換するつもりだった。
からかったんだ。
おもしろいから♪
未来は絶対断ると思っていた。
だからこのあとの未来の行動には驚いたんだ。
未来は少し背伸びをして「ん…」と軽く俺にキスをした。
ざわざわと騒がしい室内の中、俺はぽかんと立ち尽くしていた。人…見てるよ?
人…たくさんいるけど…?
…今日の未来はすごく積極的だった。
まるで…今しておかないとって感じだった。
でもそれはデートに出来たのが嬉しくて…
ただはしゃいでるのかと思った。
だから気づかなかったんだ。
そんな俺をみて未来が寂しそうな顔をしていたなんてー…
「どれにする?」
店に入った未来はう~んと悩んでいた。
でも俺はそんなことより店にいる客に苛立っていた。
未来は気づいてないだろうけど店の中にいる男客はみんな未来に視線を向けている。
長いまつげ、さらっと長い髪は思わず触りたくなるほどきれいで。
…って変態か。
俺は。
やばいなぁと思っている俺を無視して未来は「き~めた」といってすくっと立ち上がるとレジに向かっていった。
…俺に見られないようにこそこそと。
あれ?待って。
確か今日って…。
「決めたぁ~?」
いつの間にかレジから戻ってきた未来が俺の背中に抱きつく。
「決めたよ」
多分…喜んでくれると思う。
あげたらどんな顔をするだろう?
「ありがとうございました」
店員さんの満面の営業スマイルを横目で流しながら、包みを受けとる。
俺はピンクのラメがきらきら光ったネックレスを買った。
「未来は?」
何度聞いても黒く染まった瞳をランランと輝かせながら「ナイショ」と答えるだけ。
いつもの仕返しだと言っていたずらっぽく笑う未来に若干ときめきを感じる俺は、相当未来が好きなんだな…(笑)
「ねぇ、ホテルいこ…?」
恥ずかしそうに俺の服のそでをつかむ未来。
…未来の顔はほんのりピンクく染まっている。
「え…?」
さっきまで普通に買い物して、普通にご飯を食べてただけだから。
30秒前、未来から発せられた言葉に俺は固まったまま。
でも必死に理解しようとしてる俺の目にうつってきたのは、時計だった。
今は7時36分。
普段ならもう帰る時間。
いかもホテルって…。
「かっ…母さんが…」
やっとの思いで口にした言葉。
本当は、「母さんが怒るぞ」そう言おうと口を開くが上手く声がでない。
それでも未来には通じたみたいで
「お母さんはっ…いいのっ」
未来は“大丈夫”という目で俺を見上げる。
「お願いっ…そばにいてっ…」
俺の目をまっすぐ見つめてくる未来から
“不安”
“好き”
“でも怖い”
という感情が一気に伝わってくる。
しがみついて涙を流し始める未来に、俺はつい
「わかったー…」
と言ってしまったー…。
8年前…
「うっ…ひっくっうぇ…」
木から落ちた未来が泣いてる。
俺は走って未来のそばへ駆け寄った。
「大丈夫?」
って。
未来はどじだからな。
膝からでた血はだんだん溢れて足のふくらはぎをつたう。
なんとかしてあげたいんだけど…
あっ…
「未来っ俺医者になるっ!そしたら未来が転んでも治せるよっ」
子供ながらに単純な理由ー…。
でも、そう言うと笑ってくれる未来の笑顔が嬉しくて俺は医者になろうって決めたんだ…。
「ん…」
コンコンと扉をノックする音で目が覚める。
ケータイの時計は8時30分。
俺は起きたばかりで重い体をおこし扉を開けた。
「未来っ!」
扉の前には、未来の姿。
「ねっ!今から遊びに行こう!」
え…?
「でも母さんは…」
母さんがそんなこと許すはずがない。
「いいって♪」
ふふっと笑って未来は嬉しそうにする。
「まじでっ!?」
「うん…♪だから早く着替えてきてね」
そう言い残し未来は俺の部屋から出ていった。
ふいに未来の横顔に目が止まった。
「えっ…ちょっおいっ…」
だけどもう未来はいなかった。
未来の目に涙が浮かんでいた気がする。
…気のせいか?今思えばこの時気づくべきだったんだよな…
ごめんな。
未来ー…
「うわぁー」
ととはしゃぐ未来。
今は電車で二駅のショッピングセンターに来ている。
なぜか突然、
「お互いに何かプレゼントしあおうよ♪」
と言い出したんだ。
「ねっ!」
ずいっと身を乗り出した未来の顔と俺の顔が近くなる。
ぼぼっと赤くなる未来の頬。
ー…よかった…
いつもの未来だー…
「ねぇ、キスしてくれたらプレゼント交換してもいいよ♪」
わざといたずらっぽくいう俺は、別に未来からのキスがなくなって、プレゼントは交換するつもりだった。
からかったんだ。
おもしろいから♪
未来は絶対断ると思っていた。
だからこのあとの未来の行動には驚いたんだ。
未来は少し背伸びをして「ん…」と軽く俺にキスをした。
ざわざわと騒がしい室内の中、俺はぽかんと立ち尽くしていた。人…見てるよ?
人…たくさんいるけど…?
…今日の未来はすごく積極的だった。
まるで…今しておかないとって感じだった。
でもそれはデートに出来たのが嬉しくて…
ただはしゃいでるのかと思った。
だから気づかなかったんだ。
そんな俺をみて未来が寂しそうな顔をしていたなんてー…
「どれにする?」
店に入った未来はう~んと悩んでいた。
でも俺はそんなことより店にいる客に苛立っていた。
未来は気づいてないだろうけど店の中にいる男客はみんな未来に視線を向けている。
長いまつげ、さらっと長い髪は思わず触りたくなるほどきれいで。
…って変態か。
俺は。
やばいなぁと思っている俺を無視して未来は「き~めた」といってすくっと立ち上がるとレジに向かっていった。
…俺に見られないようにこそこそと。
あれ?待って。
確か今日って…。
「決めたぁ~?」
いつの間にかレジから戻ってきた未来が俺の背中に抱きつく。
「決めたよ」
多分…喜んでくれると思う。
あげたらどんな顔をするだろう?
「ありがとうございました」
店員さんの満面の営業スマイルを横目で流しながら、包みを受けとる。
俺はピンクのラメがきらきら光ったネックレスを買った。
「未来は?」
何度聞いても黒く染まった瞳をランランと輝かせながら「ナイショ」と答えるだけ。
いつもの仕返しだと言っていたずらっぽく笑う未来に若干ときめきを感じる俺は、相当未来が好きなんだな…(笑)
「ねぇ、ホテルいこ…?」
恥ずかしそうに俺の服のそでをつかむ未来。
…未来の顔はほんのりピンクく染まっている。
「え…?」
さっきまで普通に買い物して、普通にご飯を食べてただけだから。
30秒前、未来から発せられた言葉に俺は固まったまま。
でも必死に理解しようとしてる俺の目にうつってきたのは、時計だった。
今は7時36分。
普段ならもう帰る時間。
いかもホテルって…。
「かっ…母さんが…」
やっとの思いで口にした言葉。
本当は、「母さんが怒るぞ」そう言おうと口を開くが上手く声がでない。
それでも未来には通じたみたいで
「お母さんはっ…いいのっ」
未来は“大丈夫”という目で俺を見上げる。
「お願いっ…そばにいてっ…」
俺の目をまっすぐ見つめてくる未来から
“不安”
“好き”
“でも怖い”
という感情が一気に伝わってくる。
しがみついて涙を流し始める未来に、俺はつい
「わかったー…」
と言ってしまったー…。

