~未来~

さすが土曜日の遊園地。

家族連れやカップルなどで賑わっている。

私は知っているのだよ。

空斗君。

空斗が遊園地苦手なことを(人が多くて)。

それでもここに来たのは別に空斗をいじめるためとかそんなんじゃなくてっ(それもあるけど)、

ここの遊園地の観覧車に乗っててっぺんでキスすると二人は永遠に結ばれるってジンクスがあるから。

でもだからキスしてくださいなんていえるはずもなく…。

「どれのるの」

「えっ…と、ジェットコースター」

「何で疑問形(笑)」

別にいいけど。

そう言ってくすっと笑う空斗の笑顔に胸がきゅうぅんってなる。

それから私たちは乗り物をほとんど制覇して、気づいた時にはもう6時30分だった。

「んー…あと一個ぐらいかなぁ」

って私の頭に軽く手をのせて空斗はニッと笑う。

「どれ乗りたい」

「観…らんしゃっ!」

おもいっきり勇気をだしていった。

…でも隣を歩くカップルが…

「ねぇ~観覧車乗りた~い」

「いいよ。乗ろうか」

「ねぇてっぺんでちゅーしよ」

そしたら永遠に結ばれるんだよ

と甘い声をだす彼女。

…この女っ

人がせっかく勇気ふりしぼっていってんのに

…ていうか空斗にも聞かれた…よね…

ちらっと空斗の方へ視線を移す。

そこには…

「行こ。のるんでしょ」
…これ以上ないくらいの満面の笑みを浮かべながら、私の手をぐいっと引っ張る空斗がいた。

「はぃ…」

そんな空斗を前に私はただただ小さくうなずくことしかできなかった。