~未来~

「ー…この方程式をー…」
もう明日が楽しみすぎて先生の話なんか入ってこない。

「立花未来っ!」

「はいっ」

思わず疑問形。

黒板に書いてある文字は、なんかわかんない方程式。
分かるかっ

…と言えるはずもなく…。
「立花、ニヤニヤするんじゃない。真面目に聞け」

「はぁ~い」

…ニヤニヤ…

してたのか…

私…

ていうか今は隣を見たくない。

と隣からノートの切れ端がとんでくる。

“ニヤニヤねぇそんなに楽しみデート”

「んなっ」

思わずガタッと立ち上がる。

「立花っ」

「はぃ…」

二回目の先生のお怒りに私はしゅんてなる。

「うぅ…。」


「未来怒られてたねぇー二回!」

そう言って紀伊は指をずいっとつきだす。

ここは屋上。

最近は優と紀伊と空斗と私でお昼を食べるようになった。

しかし周りのいちゃつき度は変わってなくて…

(むしろ悪化してる。)

「…あっ」

だった声が

「あ…っんんっ…イクっ」
と甘い声にレベルがあがっている。

そしてそんな声に優が黙っているはずもなく…。

「ここに来るとぞくぞくする」

と紀伊に何かを合図している。

「OK。あとでね」

の会話に子供の私は全くついていけてなくて…

青く広がる空をみながら、(早く明日にならないかなぁ…)と思っていた。