『もしもし…存…。こんな遅くにごめんね…。』

 『お~。愛美!どうした?俺なら全然大丈夫だよ。』

 『・・・』

 『愛美…。また泣いてるのか?どうした?』

 私は言葉にならない。

 『また彼の事?』

 『うん…。わかってるんだ…。週末は一緒にいられない事くらい…。でも…でもね……』

 存は優しい声で、

 『好きなんだよね…だから仕方ないんだよね。』

 と言うとふっと微笑んだ気がした。

 勿論電話だから顔は見えない…。

 でも柔らかい表情で微笑んでいる。

 私にはわかってる…。