家に到着すると携帯が鳴る。

　存だ！

　『今日はありがとね！。友達にまでご飯おごってもらっちゃって。』

　『いえいえ。この位お安いご用さ。』

　『私が愛美でがっかりしたでしょ？』

　ドキドキしながら私は聞いてみた。

　『一目見てすぐにわかったよ。っていうか君が愛美ならいいなぁ～って思ったのが本音だけどね。』

　照れた様子で笑う。

『君はべっぴんさんだね！』

　楽しそうに笑ってる。

　（みんな言うんだよね…そんな見え透いた嘘…。）

　（でも存に言われると嬉しいかも…。）

　『ね～、存は背も高くて、カッコイいのにさ…何で独身でフリーなの？』

　『そうかぁ～。』

　存は笑いながら答える。

『自分ではそんな風に思わないけど…タイミングかな…？タイミングが合わなかったんだよ。』

　クスクス笑ってる。

　（何か可笑しな事聞いたのかなぁ…。）

　今度はハッキリした口調で言い切った。

　『俺は愛美に逢えて良かったよ！』

　ズキン…

　私の胸が痛んだ…。