帰り支度の遅い私を秀真が待つ。
これはもう習慣化していた。
いわゆる幼馴染である私たちはクラスこそ滅多に同じにはならないものの、登下校をはじめとする様々な行動を別にすることがほとんどない。
腐れ縁、というか、一緒にいるのは当たり前になっている、というか。
その仲の良さは近所でも有名で、中学二年生になった今でも変わらずにいる。
「秀真今日帰ったら何かあるの?」
「ん? あーあれだ。ちょっと父さんのとこ行ってくる」
秀真は少し面倒くさそうに言った。
秀真の実家は有数の財閥で、秀真はそこの跡取り息子だ。
彼の父親は次期社長の座に秀真をつかせるための教育を怠らない。
時々暇を見ては秀真を自分の仕事場に呼ぶことも少なくはなく、前回はひと月前くらいだったはずだ。
私はまだ早いのでは、と思わなくもない。
まだ中学2年生、まだ14歳になったばかりなのにな、と。
「だから今日電車違うの乗るね」
「うん、分かった」
今日は駅まで、と思いながら、私は鞄のファスナーを閉める。
次いで指定鞄とは別のリュックサックからカーディガンを引っ張り出した。
これはもう習慣化していた。
いわゆる幼馴染である私たちはクラスこそ滅多に同じにはならないものの、登下校をはじめとする様々な行動を別にすることがほとんどない。
腐れ縁、というか、一緒にいるのは当たり前になっている、というか。
その仲の良さは近所でも有名で、中学二年生になった今でも変わらずにいる。
「秀真今日帰ったら何かあるの?」
「ん? あーあれだ。ちょっと父さんのとこ行ってくる」
秀真は少し面倒くさそうに言った。
秀真の実家は有数の財閥で、秀真はそこの跡取り息子だ。
彼の父親は次期社長の座に秀真をつかせるための教育を怠らない。
時々暇を見ては秀真を自分の仕事場に呼ぶことも少なくはなく、前回はひと月前くらいだったはずだ。
私はまだ早いのでは、と思わなくもない。
まだ中学2年生、まだ14歳になったばかりなのにな、と。
「だから今日電車違うの乗るね」
「うん、分かった」
今日は駅まで、と思いながら、私は鞄のファスナーを閉める。
次いで指定鞄とは別のリュックサックからカーディガンを引っ張り出した。
