「とりあえず拭いて」 「大丈夫……」 「だーっ!俺がほっとけないのっ!」 と大きい部活用のタオルの隅を使って、紗英の肩に手を置いて、涙を拭き始めた山下 その表情は戸惑いと焦りに充ちている 「え、笑ってんの……?」 紗英が声を抑えながら笑っていると、より一層、心配そうな瞳を向けられ、ついに耐えきれなくなった 「だって、あなた変だから……」 「変って?」 「初めて会った人に普通、ここまでしないでしょ?」 「…そうか?」