わかってる、わかってるよ。お父さん……
だから私…こうして………
「ーーーいっ、おいっ」
「へ……?」
勢いよく肩を揺らされ、机に伏せていた頭を上げると、目の前に山下夏生の顔があった
げ。山下じゃん……
少し顔を歪める紗英に気づかずに山下は笑顔を向ける
「あ、起きた。もう下校時刻過ぎんぞ?」
「え…もうそんな時間……」
仮眠するつもりが大分寝ちゃった……今日の分の課題終わらなかったな……
「…起こしてくれてありがとう」
寝顔を見られて恥ずかしい紗英は、俯きがちに一応お礼を言った
「どーいたしまーしてっ…ってお前泣いてるっ!!」
頬に手をあてると、確かに少し濡れている
あ……お父さんの夢は見たからか。
一人、納得していると山下は鞄から急いでタオルを取り出した

