「はい、あーん」
「調子乗んな。そんなの食べるわけないでしょ。」
「ですよねー…。はい、スプーン」
想定内だったのか、山下は大人しくスプーンとゼリーを紗英に渡す
山下の家では風邪の時はお粥ではなく、ゼリーを食べるのが普通らしい
「よし、薬飲んだし後は寝るだけだなっ!紗英のお母さんは何時頃に家に帰ってくる?」
「…今はロスに行ってる」
「え、ロスって仕事で?」
「そう」
「まじか…。ちょっとこれ以上は俺も…」
「あっ、そうだよね。ごめんね?こんな時間まで看病させちゃって…」
「いやいや!そっちの意味ではなく…」

