「ここからなら、山下の家の方が近いよね?」 「え、あー。うん。でも、紗英の家まで送る!」 「え。いいよ、雨だし…」 「いーの!俺が送りたいだけなんだから、紗英は素直に送られなさいっ!」 「意味わかんない…」 「ここ左?右?」 「…左。」 ーーー 「ありがとう。わざわざ家まで送ってくれて…」 「ううん、大丈…ハックショッ!!」 盛大にくしゃみをした山下をよく見ると、制服の右側がびしょ濡れになっていた