「相合い傘……。」
「そうっ!相合い傘っ!俺、好きな子とこうして…ってわー!!!今の聞こえた!?聞こえてないよな?!」
「…もう、うるさい。何にも聞こえなかったよ」
「は、はぁ。良かった…まじ死ぬかと思った…。」
うるさくなったり、静かになったり…忙しい奴……。
「ふふっ」
「あ、何笑ってんだよー。」
「何でもない何でもない。帰ろ?」
山下の手から買ったばかりのビニール傘を奪ってさした
「あっ、俺が持つ!」
「そう?」
「俺のが紗英よりも背高いしー。」
「…そんな変わる?」
「かっ、変わるだろ!俺だってギリギリ175はあるんだから!」
全く、と拗ねながら山下は紗英の手から傘を奪い返し、二人は歩きだした

