近くにあった水道でハンカチを濡らして、山下の傷口を拭く 「こんくらい平気なんだけどな…」 「いいの、私がやっておきたいだけだから」 「ふっ、ははは……」 突然肩を震わせて笑いだした夏生に、紗英は怪訝そうな顔をした 「…何笑ってるの?」 「いや、なんか新田って優しいんだなって…」 「…うるさい。」 「すんません…調子乗りました。」 俯いてショボくれた山下に、紗英は思わず笑みをこぼした