Love begins!!!



「なんかごめんな?騒がしい家族で…」


帰り道、隣で自転車を推している山下が恥ずかしそうに言った


「ううん、私は羨ましかった…」


「羨ましいかー?あんなんただの冷やかしじゃんか…」


「そうかな?」


きっと持っている人にはわからないんだな…


何だか悲しくなって、上を向くために紗英は夜空を眺めた


「ん?星見える?」


すると隣で夏生も空を眺め始める


「ううん、見えない…。何にも見えないね…。」


やばい、何でコイツといるときなんかに…


たまに来る、悲しみの波が押し寄せてきて流れそうになる涙を必死に止めて、紗英は山下より先に歩き始めた