こんなに眠いのは初めてだ。



今日大丈夫かな?



「…ふぁー」



「眠いのか?」



その声に振り向くと、用意を終えた慧が立っていた。




「…うん。ちょっと……」



ていうか…。



「何でそんなに見てんの?」



私は慧に見とれてしまった。



今日の慧は普段のラフな格好とは違い、おしゃれをしている。




黒のジャケットが、慧のすらっとした体にとても合っていた。



「……いや、見てないよ?そろそろ行く?」




「うん。じゃ、行こ」



私たちは今起きてきたお母さんに見送られて家を出た。