「一緒に食べよ?」



そう言って私の席まで来ると、慧は私の腕に自分の腕を絡めた。


「えっなに!?奈緒ってあの王子と付き合ってるの!?」



そんな声があちこちから聞こえてくる。



そりゃそうだよね。


慧はみんなの王子様だもん。



みんな驚いて当然だよ。



「ちょっと、腕離してっ」


女子たちの視線が痛いよ。



「行くよ」



慧は私の言うことは聞かずに、私のお弁当を持つと、私を引っ張りながら教室を出た。



向かった先は、今は誰も使っていない空き教室。



え?


こんなところで食べるの?