蒼、よく頑張ったね…… あたしは心の中でそう呟くと同時に、 イチョウの木に触った。 「……?」 下を向いて触ったから木じゃない感触のものに驚いた。 恐る恐る顔を上げてみると…… 「あ……」 風にゆらゆらと揺れている、 リボンに結び付けられた指輪だった。