【完】イチョウ~あたしは幸せでした~







「舞衣、」


「ん?」



「もうすぐ試験だけど、大丈夫か?」



そうだ……10月に試験だ……



「だ、大丈夫だと思う……」



「無理するなよ?
体壊したら意味ないからな。」


「うん。」



コウくんに励まされながら
蒼の帰りを待った。




「あ、宮城。舞衣、待ってたのか?」




振り返ると車いすに乗った蒼だった。



「蒼……おかえりっ!」



「いや、俺は舞衣の話相手だ。
んじゃ帰るな。」



そう言ってコウくんは帰って行った。





「ただいま。」


「大丈夫?」


「あぁ平気だ!」




蒼は笑顔でそう言ってくれた。