あたしが歩いて向かった先は。




「蒼……。久しぶり。」



「舞衣。」



──……そうイチョウの木の下。



「もう大丈夫なの?」



「あぁ、まだたまに頭痛かったりするけど、
大丈夫だ。」




そう言って蒼は微笑んだ。




よかった……




蒼が笑ってくれる。



よかった……




「舞衣、なんで泣いてる?」


「蒼に嫌われたかと思った……
あたしも連絡はしなかったけど、連絡来なくて
心配した……。」



「何言ってんだよ。」



蒼のその言葉を聞くころにはあたしは蒼に抱きしめられていた。