【完】イチョウ~あたしは幸せでした~









もう歩いて1時間くらい経った。


しんどくて蒼は時々立ち止まってしまったりしながら一歩一歩、歩いていた。



「ま、い。悪いごめん。
ちょっと頭痛い……」



「蒼……救急車呼ぼうか?」



「ううん……平気」



蒼、ほんとに辛そう……



どうすれば……



あ!!


お兄ちゃんっ!!


あたしは携帯を取りだし、お兄ちゃんに電話をかけた。


『もしもし?どうした舞衣?』


「お、お兄ちゃんっ!!助けて!!星宮公園まで来てほしい。蒼が蒼がっ……!!」



『舞衣。落ち着け!行くから。』



ツーツーツー。